fujimototakuji2007-05-14


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「Drink me」のビンを飲んで小さくなるアリス。
それから『不思議の国のアリス』第三章'A Caucus-Race And A Long Tale'へ。



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チェシャ猫。



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この白のナイトは、リチャード・バートン。アリス役ケイト・バートンの父。



Alice In Wonderland (1983) - Jabberwocky - YouTube
ラストの朗読シーン。
Jabberwocky全文。

Jabberwocky
'Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe:
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.


"Beware the Jabberwock, my son!
The jaws that bite, the claws that catch!
Beware the Jubjub bird, and shun
The frumious Bandersnatch!"


He took his vorpal sword in hand:
Long time the manxome foe he sought―
So rested he by the Tumtum tree,
And stood awhile in thought.


And, as in uffish thought he stood,
The Jabberwock, with eyes of flame,
Came whiffling through the tulgey wood,
And burbled as it came!


One, two! One, two! And through and through
The vorpal blade went snicker-snack!
He left it dead, and with its head
He went galumphing back.


"And hast thou slain the Jabberwock?
Come to my arms, my beamish boy!
O frabjous day! Callooh! Callay!"
He chortled in his joy.


'Twas brillig, and the slithy toves
Did gyre and gimble in the wabe:
All mimsy were the borogoves,
And the mome raths outgrabe.



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私のレビュー

・メモ
1932年のブロードウェイ・ミュージカルを82年にリバイバル上映し、それを83年にテレビ放映したもの。監督はカーク・ブラウニング(Kirk Browning)。アリス役はケイト・バートン(Kate Burton)。1957年生で、このとき25歳。白のナイト役で出演している英国の名優リチャード・バートン(Richard Burton)の娘。


演劇としては悪くないものなのだろう。実際、個々のシーンでの、実力ある俳優たちの演技の質は高く、それだけで十分米国版DVDを購入して観る価値はある。(あのドナルド・オコナーが、Mock Turtleを演じていたりする!)
ただ、映像作品としてこれを見る場合、舞台の映像化の多くがそうであるように、どうしても違和感が強い。というか、成功していない。端的に言って、演技過剰で疲れるのだ。舞台でははえても、映像として、懸命に歌い踊るトゥイードゥルダムとトゥイードゥルディの額の汗を映してはいけない。
ここで私は映像作品としての評しかできないが、舞台で見ればまた違うのだろうと思う。


・アリス映像化作品を見るポイント

1.
キャロル原作の物語・言語遊びをどのようなスタイルでどの程度再現しているか?



2.
オリジナルの挿絵、テニエルのイメージとどのような距離をとるか。忠実な再現を目指すか、独自の表現を目指すか。映画の場合でも、テニエルから受ける影響は甚大。



3.
アリスの落下、巨大化・縮小化、チェシャ猫の出現・消滅、芋虫やMock Turtleといった不可思議なキャラクターの造型や、コスチュームプレイ、そういったあたりが映像でアリスを表現する際の強みになるが、どのような創意工夫が見られるか?



4.
アリス役の魅力。劇映画におけるヒロインの重要性は改めて言うまでもないだろうが、そのヒロインがアリスならなおの事。
 もう少し早く映画が発明されていれば(あるいはキャロルがもう少し遅く生まれていたら)、キャロルはきっと魅力的なアマチュア少女映像を撮っていただろう。アマチュア写真家キャロルが、少女を美しく撮影したように。


1.
不思議と鏡のエピソードを組み合わせてあるが、構成に特徴がある。
この作品は、冒頭、これからアリス劇を演じる劇団の舞台裏からはじまる。あと20分で上演開始にも関わらず、アリス役の女優(ケイト・バートン)はセリフがおぼえられない。煙草を吹かしながら、ジャバウォッキーの詩を暗唱し、部屋のあちこちに張ったテニエルの挿絵をながめアリスの世界に入っていこうとする。鏡に張った挿絵を見ているうちに、自分も鏡を抜けて……という導入。そこから不思議の国と鏡の国を冒険し、再び楽屋に戻ってくる。最後は朗々とジャバウォッキーの詩を暗唱するシーンで幕。
以下にDVDのSCENE SELECTIONSをあげておく。

SCENE SELECTIONS
1. Introduction
2. Opening
3. A Caucus-Race And A Long Tale
4. Advice From A Caterpillar
5. Pig And Pepper
6. Chesgire Cat
7. A Mad Tea Party
8. The Queen's Croquet-Ground
9. The Mock Turtle's Story
10. The Lobster Quadrille
11. Beautiful Soup
12. Who Stole the Tarts?
13. Alice's Evidence
14. The Garden Of Live Flowers
15. Tweedledum And Tweedledee
16. The Walrus and the Carpenter
17. Wool And Water
18. Humpty Dumpty
19. A-Sittin' on a Gate
20. Queen Alice
21. Shaking And Waking
22. Jabberwocky


不思議と鏡から、よく知られたエピソードを抜粋してあるが、一つ一つのシーンはかなり短め。説明的な部分はなるべく省き、歌と踊りを重視しているためである。


2.
 冒頭の舞台裏のシーンから、テニエルの挿絵そのものを、ふんだんに取り入れている。
各シーンの背景も、キャラクターの外観も、テニエルのイメージを強く反映した作りになっている。


3.
 これは舞台を映像化したものではあるが、そうする際にいくつか映像上の細工が施されている。例えば、YouTubeにも出ているチェシャ猫の登場シーン。書割の中に突然顔が浮かび、一瞬でそれが消えたかと思うと、Geoffrey Holderがゆらゆら歩きながら登場する。好みもあろうが、こういった映像的細工の大半は半端なもので、あまり効果的とも思えない。クローズアップもかなりあるのだが、舞台の映像に使われると、単に大仰な印象を与えることが多く、この作品でもその弊を免れているとは言いがたい。
 むしろ実際の舞台でどんな演出だったかの方が、私には興味深い。


 また、舞台特有の緊張感ある、というか、いささか神経質な演出法が、この作品に合っているか、という点でも、高く評価しがたい。白ウサギのキャラクターに関しては、この神経質な演出もおもしろいが、全編通して観ると、過剰な演出が多いように私は感じた。


4.
アリス役はケイト・バートンで、このとき25歳。
年齢的に、七歳半のアリス役を演じるにはきついかとも思えるが、アリス役の舞台女優が不思議の国に入っていくという設定で、一応の説明がつくようにはなっているし、彼女の容貌というか、笑わないアリスの表情など、テニエルの描いたアリスのイメージに近いところもかなりある。